おげるるはに

徒然なるままに

サウスパーク・ワクチンスペシャルから学ぶ英語・文化①

3月にサウスパークの最新話「Vaccination Special(ワクチンスペシャル)」が公開されました。公式サイトでは3/12に配信され、英語音声・字幕のみですが視聴可能です。いつも通り皮肉の効いた内容で楽しめました。今回から、その最新話で出てくる英語表現や笑いどころについて、まとめていきたいと思います。ストーリーの詳細はFandomを見るのをオススメします。ネタバレ注意です。

 

 

ストーリー概要


今回の話は前回の「Pandemic Special」に引き続き、コロナ禍でのサウスパークの住民の生活が描かれます。高齢者など一部の人を対象にワクチンの接種が始まりますが、対象でない大人達は不満たらたらです。ワクチン接種を行っているウォルグリーンには、接種を求めて対象者でもないのに連日大人たちが列をなしています。そんなサウスパークでの今回の主役はもちろんいつもの4人、スタン、カイル、カートマン、ケニーです。コロナ禍で友情が廃れつつあると感じるカートマン、ケニーはあるイタズラをして友情を取り戻そうと提案します。そのイタズラの結果、彼らの担任のネルソン先生は学校を去ってしまいます。代わりの先生は勿論、大統領を退任したギャリソン先生です。ギャリソン先生が嫌いな4人が、ネルソン先生を学校に呼び戻すべくコロナワクチンを手に入れようと奮闘するのが今回のメインストリームです。接種を切望する大人達や、Qアノン信者も絡んできて、4人の行動はサウスパークを巻き込んだ大騒動へと発展していきます。

 

 

First responders


マッケイ先生とアドラー先生はワクチン接種を求め、薬局ウォルグリーンへやってきます。自分たちが教師であることを伝え、接種させるよう警備員(下の写真のサングラスをかけた男)に頼みます。それに対し、並んでいる他の大人たちからは、「病気を抱えてる人が先だ!おれはヘビースモーカーだ!」「おれは免疫不全で尖圭コンジローマ、見せてやろうか?」等とヤジが飛びます。これらに対して警備員は「Over 55, first responders and Group 2B only! 」と一喝します。

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ウォルグリーンズにて

55歳以上は分かりますが、first respondersは初耳でした。意味をチェックしてみましょう。ケンブリッジ英英辞典によると、

特にパンデミックなどの緊急事態に現場に最初に駆けつけて対処にあたる人々。警察官や消防士など(和訳)」

という意味です。日本では、高齢者や医療従事者を優先にワクチン接種を行っていますが、警察官や消防士を先にという話は聞かないですよね。優先対象者に関する違いを知りました。余談ですが、この後マッケイ先生は消防士の格好をしてウォルグリーンを再訪します 笑 結果は失敗に終わるのですが…笑

 

 

お年寄り、大暴れ


 ワクチン優先接種対象者であるお年寄り達は、接種していない大人、子供達に対して煽りに煽りまくります。このエピソードでの煽りをここにまとめます。日本でもワクチンを接種した元気な高齢者がトラブルを起こすというニュースが流れる未来が私には見えます。

 

①79 bitchesssss !

先ほどのウォルグリーンのシーン。大人たちが全然中に入れない状況で老女が現れ、すんなりと中に入っていきます。入る際に中指を立て「79 bitchessss!」と煽ります。もちろん大人達はブーイング。

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煽り①

 

Hah ? Can't hear ya. Got too many antibodies in my ears !

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Let's go out to the bars !

相変わらず大人達がワクチン接種を求めて列を作っている一方で、接種を終えた老人たちがウォルグリーンから出てきます。「2回目の接種も終わったしバー行こうぜ!」などとビール瓶片手に出てきます。それに対し並んでいる大人から「Old people suck !(クソ老人!)」と罵声が飛びます。それに対する老人の対応がこちら…

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聞こえねえな~?

「Hah ? Can't hear ya. Got too many antibodies in my ears !」(聞こえねえな~?耳に抗体を取りすぎちまってよお~!)

ワクチンを打てない大人達に対する最高の煽りですよね。煽ってなんぼのサウスパーク、日本のアニメでは中々見られないですね。

 

Have fun social distancing, loser !

スタンが学校から帰宅中、スタンの祖父が友人たちとオープンカーに乗って現れます。ワクチンを打って無敵になった彼らは以下のようにスタンに言葉を浴びせます。

 

Still gotta wear that mask, huh? We're all vaccinated now. I'm gonna go out to the bars and get some pussy !」(まだマスクつけとんのか?おれたち皆ワクチン打ってるぜ。今からバーに行って女でもいただきに行くぜ!)

 

Sayyy… When are they gonna vaccinate you kids ? Oh, yeah! You're last !」(おい、いつワクチン打つんだクソガキ?あぁ!最後か!)

 

Have fun social distancing, loser !」(ソーシャルディスタンスをエンジョイしろよ~負け犬~!)

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もう言いたい放題です。こんなこと日本で言った日には炎上間違いなしですね。敏感な人はサウスパーク見れないとつくづく思い知らされます。Have fun social distancing, loser ! は私のお気に入りで、英会話から帰るときに講師にたまに言います。loserまでは言いませんが。ちなみに緑色にした上のpussyスラングです。女性器を表すスラングで、そこから女性を表す言葉となっています。英会話では使うべきではないですね。

 

 

まとめ


この記事ではとりあえずここまで。続きは随時書いていくつもりです。このエピソードではワクチンを打った人と打っていない人の対立が描かれています。リスクの大きい老人を優先接種するのは納得できる理由ではありますが、絶対の正解とは言い切れないですよね。命の優劣の話はこのコロナ禍でもニュース等で取り上げられてますが、このエピソードはパロディ化しつつもそんな世の中を風刺しているように感じました。