ナウい人はみんな知ってる「woke」について-サウスパーク・ワクチンスペシャルから学ぶ英語・文化④
今回は、数年前に登場したスラング「woke」について解説します。サウスパークのワクチンスペシャルでもギャリソン先生が発言しました。
Woke
まずはそのシーンから見ていきましょう。
大統領の任を退いたギャリソン先生は、サウスパークに戻り、臨時ではありますが、再びスタン達のクラスを担任することになります。担任をするにあたり、はさみのりや子供達用のおやつの買い出しにスーパーへやってきました。ギャリソン先生を見たスーパーの人たちは立ち止まり睨みつけます。それは何故か、スーパーの客のセリフから分かります。
「Would you look at that? He ruined our entire country and now he's just back like nothing happened.」(あれをご覧よ。彼はこの国をめちゃくちゃにしておきながら、何事もなかったかのように戻ってきた。)
トランプがアメリカを分断したとはよく耳にしますが、彼のセリフはそれを表しています。視線に気づいたギャリソンはこう言います。
「Look, everyone, there's a gay man shopping ! I happen to be the only teacher brave enough to teach your kids right now, so you better all get real woke real fast ! 」(おいみんな見ろよ!ゲイが買い物してるぞ!おれは勇敢にもお前らの子供達を教える唯一の先生なんだぞ!だからお前らもさっさと”敏感になる”べきだ)
この記事のメインであるwokeが出てきました。
wokeというと、wake(目が覚める、起きる)の過去形に感じますが文型から分かるように形容詞として使われます。上の訳では敏感であると訳しましたが、wokeは「社会的問題に対しての認識がある、敏感である」という意味です。
ここでいう社会的問題は特に人権に関するものと捉えて問題ありません。最近は海外だけでなく日本でも、人権について色々な騒動が起こりますよね。男女差別とかセクシャルマイノリティ、障がい者、外国人差別などが火種となり、企業やテレビ、個人のブログまでもが炎上する時代です。こういった社会的問題について常にアンテナを張り、正しく(Political correctness)対応できている人に対してwokeを使います。
このシーンのポイントは、スーパーの客が彼の大統領としての実績に対して怒りを表しているのに対し、ギャリソン先生はゲイに対する差別的な態度をとられているように感じているところです。このギャップが笑いどころです。
まとめ
今回はwokeの意味についてまとめました。いつも変な言葉ばかり解説していますが、こちらのスラングは海外ドラマや映画でも割と出てくるのではないかと思います。全人類がwokeである状態がスタンダードになった時、どんな未来が来るか。色々な意味で気になりますね。