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Hanukah(ハヌカー:ユダヤ教のクリスマス)-サウスパークから英語・文化を学ぶ③

Youtubeサウスパーク公式チャンネルに"The Dreidel Song" の動画がアップされていました。今回はこれに関してユダヤ教徒のクリスマスについて調べてみたいと思います。

 

 

 

 

 

ユダヤ教におけるクリスマス

まず、ユダヤ教徒のクリスマスとタイトルに書きましたが、そんなものは存在しません。仏教にクリスマスがないのと同じことです。当然のことですが、クリスマスはキリストのミサであり、キリスト教徒のみのイベントです。ユダヤ教には、同時期にHanukah(ハヌカー)と呼ばれるイベントがあります。

 

Hanukah(ハヌカー)とは

起源

日本イスラエル親善協会のHPから引用します。

ユダヤ教のお祭「ハヌカ」って何? | 日本イスラエル親善協会

歴史を遡ること紀元前二世紀、イスラエルの地はシリアのギリシア人の支配下にありました。彼ら(ギリシア人)は占領政策としてヘレニズム文明を広め、ユダヤ教のおきてを禁じました。割礼や安息日を守ること、トーラーの勉強を禁じたり、神殿に偶像を入れようとしたわけです。(ユダヤ教では偶像崇拝が禁止されてます)

このような弾圧を受け、ユダヤ人はついに反乱を決意。強力なギリシア軍に勝利し、紀元前165年にエルサレム神殿を奪回し、開放しました。

エルサレム神殿を占領していた時、ギリシア軍は神殿の燭台(メノラー)を点す油の壺を皆汚したそうです。ユダヤ教弾圧の一環ですね。しかしユダヤ人が神殿を取り戻した時、汚されていない油壺が一つだけ見つかったそう。

しかもその油は、一日ももたないくらいの量しかなかったのにも関わらず、点してみると八日間も燃え続けたとのこと。この奇跡を記念して、祭日としてハヌカがお祝いされるようになりました。またそのため、ハヌカは別名「光の祭り」とも呼ばれます。

 

いつやるのか

実施日は毎年ユダヤ暦によって決められます。今年は12月10日から18日まででした。8日間行われます。

 

何をするのか

ハヌキアという燭台があります(下部画像参照)。中心が種火用のろうそくを立てる部分となっており、その他に左右に4本ずつの計9本、ろうそくを立てることができます。この燭台に、初日は種火用の部分と1本目に火を灯し、毎日1本ずつ点灯していきます。8日目の最終日には全ての蝋燭に火が灯ることになります。また、ハヌカの期間中、子供達は毎日プレゼントをもらえるそうです。もちろん家によって異なるとは思いますが(1つだけにするという家庭もあるとのことです)、お父さんお母さんにとってはかなりの負担になりそうですね。そして、伝統的な贈り物として添付した動画にも出てくる"Dreidel(ドレイドル)"があります。

eighth night

 

 

Dreidel(ドレイドル)とは

ドレイドルは四角錐のコマです。下の画像を見てみてください。子供たちは、チップ(コイン型のチョコレート)を賭けてコマを回すゲームをします。そして、このドレイドルに関する歌がサウスパークにもでてきた"I have a little dreidel"になります。テンポがよい曲でハマりました。

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ドレイドルを回すStan

(余談) lameの意味

添付した動画の中で、クソガキカートマンはユダヤ人を馬鹿にして茶々を入れます。彼は、"♪Jews play stupid games. Jews. That's why they are lame♪ "と合いの手を入れてきます。日本のテレビ番組では到底許されないだろうセリフを彼は言っています。この合いの手に出てきた"lame"について調べてみました。

lameの意味

lameはネガティブな意味を持つアメリカのスラングです。元々は、足が不自由なという意味で使われます。そこから派生し、

  • ダサい(uncool, unoriginal)
  • 退屈だ(boring, dull)
  • 最悪だ(bad, unpleasing)
  • 取るに足らない(unconvincing)

という意味で使われ方をしています。カートマンは、いつもユダヤ人であるカイルを馬鹿にしています。このシーンでも彼はカイルをおちょくっていたのです。

 

Lame Duck(レームダック)について

調べていてふと思い出しましたが、このlameは任期中だが政治的影響力を失った政治家を指す"Lame Duck(レームダック)"にも使われています。

 

以上、ユダヤ教ハヌカーについてまとめてみました。日本ではあまり馴染みのないイベントですね。サウスパークは英語の勉強になるだけでなく、英語圏の文化を知るのに非常に約に立つ教材であると感じました。